日本フランチャイズ研究協会

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フランチャイズ方式による海外展開 ~国際交渉と異文化間コミュニケーション~

本部向けコラム 

2024年05月30日

国際交渉の基本は「共存共栄」です。双方向から見て不平等契約につながるような契約になっていないかをしっかりと検証することが、両社間において長期的かつ友好的な取引関係づくりには不可避となります。国際交渉場面におけるポイントを、異文化間のコミュニケーションという視点で整理してみると、次のようになります。

現地パートナー代表者との文化的マッチング
現地パートナー(会社)の選定が海外展開成功の大きな鍵となりますが、忘れてならないのが、パートナー(会社)トップとの文化的なマッチングです。ガイドブックでは11の重要チェック項目を列挙しています。もちろん、全てが該当するようなトップであることに越したことはありませんが、少なくとも半数以上に該当し、文化的価値観が共有できることが最低条件といえます。

 

【現地パートナー代表者との文化的マッチング チェック項目(抜粋)】
日本の組織文化をある程度理解している
日本人の価値観や市場特性に触れた経験がある
自国での実績が評価できる
4~11:ガイドブック参照

 

直感的意思疎通と論理的意思疎通の存在
異なる文化背景にあるビジネス交渉は、一般的な国内交渉以上に柔軟性と忍耐力が必要になります。
わずかな言葉の違いや、表現、空気感、タイミングによって、全く違った結果を引き出してしまうので注意を要します。
日本的な意思疎通は「Intuitive(直観的)」であり、相互に察し合う期待感を意識してコミュニケートしています。
そのため、表現に幅があり、抽象的であり、具体性に欠いた表現が用いられやすくなります。

一方、大陸国家の多くは、価値観が多様であり、様々な民族が融合、あるいは共存した環境であるため、「Rational(論理的)」な意思疎通が用いられます。
そういった場では、日本的な直観的表現は、更なる誤解の原因となりやすく注意を要します。物事の説明には、可能な限り説明を加えて、意図している内容や事実が正確に伝わっているかを論理的に検証しなければなりません。
日本語では、日常会話の中で相手側が意図した内容をある程度察してもらえると期待するのが一般化していますが、論理的な意思疎通を用いる大陸文化では、そうした期待は過度に持ってはなりません。

 

不平等契約の回避
海外との取引において、一番よく見られるのがこの不平等契約の問題です。異文化間でのやり取りに慣れておらず、契約時の合意内容が相手側のペースで進められると、その内容が相手側の外国企業にとって有利になりがちです。契約締結に向けて協議される内容は、双方にとって有意義で納得のできるものでなければWIN・WINな関係構築にはならず、互いに不幸な結果をもたらすことになります。安易な妥協や、後からの調整で済まされる問題でもなく、可能な限りの交渉を契約締結前に詰めることが肝要です。中長期的展望で挑む事業のグローバル化にとって、異文化間での契約内容の検証と調整は細部にわたって行うことが必須です。ここでの「遠慮」はトラブルの元と心得ることです。

 

異文化間コミュニケーションの重要性
異なる文化背景の人々と交流を持つ、ビジネスをする、喜びを共有することは素晴らしいことであり、今後も益々盛んになるでしょう。
多様な価値観や、既成概念に縛られないダイナミズム、そして自らのアイデンティティーをよく理解した上での発想の意識改革こそ、グローバル化への第一歩となります。

 

海外市場への進出にあたっては、日本国内の需要の縮小や先行き不安等の消極的な動機が多くみられる中で、できれば海外進出を前向きにとらえ、能動的で攻めの取り組みが望まれます。
日本人の持っている勤勉さ、手先の器用さ、固有の文化を武器に、その素晴らしさを大いに発揮した海外市場での活躍が大いに期待されるところです。

 

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