日本フランチャイズ研究協会

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一般社団法人 東京都中小企業診断士協会 フランチャイズ研究会特別報告会(特別例会)

お知らせ 

2025年09月01日

テーマ:フランチャイズは地域課題を解決できるのか
日時 :2025年7月26日(土)13:00~17:00
場所 :LMJ東京研修センター(現地・Zoom によるハイブリッド開催)

【13:00-13:20】本報告会の趣旨・解題 「フランチャイズは地域課題を解決できるのか」

 

当研究会会長 大阪国際大学 山岡雄己

 

最初に,日本マーケティング学会フランチャイズ・システム研究会の運営委員が中心として立ち上げた,学術クラウドファンディングacademistの「地方の生活インフラ不足をフランチャイズで解決したい!」の進捗について情報共有があった。それを受けて,本部の提供するビジネスモデルやマネジメントシステムだけでなく,地域加盟者の「人を雇用し運営し地域生活者に便益を提供する」オペレーション能力の優劣が今後のチェーン発展の鍵となるであろうことが,本テーマの解題として示された。

【13:20~14:40】報告1「日韓フランチャイズチェーンの国内外の動向 ~外食企業を中心として~」

 

愛知学院大学 李素煕

 

本報告では「日韓フランチャイズチェーンの動向」について外食企業を中心に,まず3つの視点が提示された。日本と比較した場合,韓国のFC産業ではブランド数や加盟店数は増加しているものの,売上は伴っておらず,①1店舗あたりの規模が小さいこと,②FC本部直営店の少なさから本部の経営は零細であること,③商標登録を行っていないブランドも多く,FCビジネスへの理解が不足していること,が指摘された。
次に,韓国外食FCのビジネストレンドとして,単独世帯の増加を背景にコスパやタイパを重視する消費傾向が強まっており,ファストカジュアルやファインダイニング業態,中食市場の成長が挙げられた。韓国市場の特徴として,配達アプリや遠隔ウェイティングなどのデジタル技術の浸透について言及があり,主要メニューのミールキット化などが成長を後押ししていることの説明があった。また,韓国の食文化としてフライドチキン専門店はトレンドに左右されにくく,安定した市場シェアを維持していることも紹介された。
最後に,外食企業の国際展開に関する研究では,進出企業は多くの食材を現地で調達する一方,コア食材は日本から輸入しており,信頼性やレシピ流出防止の観点から国内取引先及び進出先(現地)に進出している日系卸売業者と連携している実態を明らかにされた。

 

【14:55~16:15】報告2 「フランチャイズ研究の系譜とこれからの可能性 ~地方創生の視点から~」

 

鳥取大学 白石秀壽

 

本報告では,最初にフランチャイズに関する主要な理論についての論文レビューあった。中でもフォーカスされたのは,「エージェンシー理論」である。この理論は,プリンシパル(依頼人=FCでは本部)自身の利益に関わる行動をエージェント(代理人=FCでは加盟店)に委託する際,両者には利害の不一致と情報の非対称性が起きるため,モラルハザードを双方に起こしうる。
そこで研究課題として,「本部と加盟店の関係は本当にエージェンシー関係なのか?」という問いを立て,エージェントが内発的動機で組織目標に貢献しようとする「ステュワードシップ理論」のフランチャイズへの適用可能性を提示した。これは自己利益追求のエージェンシー理論とは対照的であり,従前フランチャイズの文脈で取り上げられてこなかった理論である。
また,現在取り組んでいる,日本政策金融公庫のデータを使った研究について共有があった。分析からは「現在も事業を継続している起業家は,より低いリスクで事業拡大・多角化する戦略的手段としてFC加盟を選択する確率が高い」という新たな発見があった。さらに分析を進めながら本研究を継続していく意向が示された。

 

【16:15~16:55】 パネルディスカッション 「フランチャイズによる地方創生とグローカライズの可能性」

 

白石秀壽,李素煕,神田孝(弁護士):山岡雄己(ファシリテーター)

 

「地方の企業がグローバル化するためには?」と題したテーマでは,法的規制,物価の違い,海外現地における市場調査の難しさ,マンパワー不足,海外進出をサポートする支援の必要性が課題として指摘された。また李からは,韓国のFCが海外に進出した要因として,約10年前に行った政府が海外進出のサポートを行う支援政策がひとつの役割を果たしていることが示唆された。
「アジアの市場は,日本の企業にとってどんな市場になっていくか」というテーマでは,今後イスラム圏が所得向上と人口の増加により,今後の重要な市場となる可能性が議論された。山岡と神田からは,海外進出には社内・現地双方の支援体制が不可欠であり,そして現地の人材活用が成功の鍵となること,白石からは標準化と現地適応のバランスが重要な問題であることが強調された。

以上

 

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