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【FCトレンドコラム】危ないチェーンの見分け方 ~その2~

前回に続き危ないチェーンの見分け方についてお話しします。
今回は、本部の「オフィス」と「スタッフ」にスポットを当ててみたいと思います。
フランチャイズに加盟しようとする時、本部のオフィスを訪ねてスタッフから説明を受けることって必ずありますよね。そんな時の参考に下ください。

まず、オフィスですが、まっとうなフランチャイズのオフィスってびっくりするくらい質素なんです。成長過程のフランチャイズは、高い家賃を払って立派なオフィスを借りるより、システム開発などもっと優先順位が高い金の使い方がある。
でも、チェーンの規模に比べて分不相応に立派なオフィスを構えているフランチャイズってありますよね。こういうフランチャイズは危ない典型だと思うんですよ。
加盟希望者に安心感をもたせて加盟させようとする魂胆が見え見えです。こんなフランチャイズに加盟してもろくなことはありません。

オフィスの内部にも注目です。整理整頓ができていなかったり、掃除が行き届いていないフランチャイズは要注意です。これって、社員教育がしっかりできていない証拠なんですよ。
社員の教育もろくにできない本部が、加盟店をしっかり指導したりすることなどできるはずがありません。
反対に、トイレが清潔で、使われていないコンセントの差し込み口が塞がれているなんていう本部は評価してもいいかもしれません。
トイレをいつも綺麗にしておくためには、汚れのチェックや掃除をスケジュール化しておくというシステムが必要なんです。コンセントのカバーは、差し込み口から埃が入ってショートすることのリスク対策です。
細かいことですけど、こういうことってフランチャイズにとって大切なことなんです。

次に、本部の「スタッフ」に注目してください。
加盟店開発担当者が営業マンを感じさせるようなフランチャイズは危ないでしょう。
先日、フランチャイズのイベントでクレームが多発している札付きフランチャイズのブースをのぞいてみたところ、繁華街でキャッチセールスをやっている人たちの集団のように見えました。
身なりはきちっとしていても、本性というか雰囲気は隠せないものなのです。

また、加盟店開発担当者がしょっちゅう代わるようなフランチャイズ、これもまた危ないと思います。
こういうフランチャイズでは、「前任者が言ったこと」、「前任者に確認が取れない」などと平気で約束を反故にしてきます。これって、たまたま担当者が辞めたとか移動になったとかじゃなく、責任をあいまいにするための予定の行動なのです。
こんなフランチャイズに加盟してしまったら、もう浮かばれません。

社員の定着率が悪いフランチャイズも危ないですね。
詐欺まがいのことをやっているフランチャイズでも、普通の感覚を持った社員はいます。こうした社員は加盟者を欺いているという自責の念にかられたり、加盟者とのトラブルに嫌気がさしたりして会社を去っていきます。
だから、こういうフランチャイズはいつも社員の求人をしています。
求人サイトで常連のフランチャイズはやめておいた方がよいかもしれませんね。

さて、皆さんのお役にたったでしょうか。

伊藤 恭
中小企業診断士
伊藤 恭
コラム著者のご紹介

成蹊大学経済学部卒業、イベント会社社長を経てFCコンサルタントとして独立。㈳東京都中小企業診断士協会フランチャイズ研究会会長、日本フランチャイズチェーン協会フランチャイズ相談室相談員等を歴任。豊富なフランチャイズ本部構築実績あり。日本経済新聞社主催のFCショー等での講演、FC専門誌・専門書の執筆多数。