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【最新FCトレンド|飲食業】外食業界におけるソーシャル・マーケティング(2017.6.30)

6月の外食フランチャイズ関連トピックのなかで,筆者が注目したのは「NPO法人ココロのバリアフリー計画」の記事(日経MJ:17/6/19)でした。このNPOの代表である池田君江さんは,2007年の渋谷シエスパ温泉爆発事故で車椅子の生活となり,好きな飲食店めぐりがなかなかできなくなりました。その頃,たまたま池田さんが入った居酒屋「串カツ田中」で,当時店長をしていた貫啓二社長に出会います。貫社長は「車いすのお客様は初めてなので,どう手伝えばいいか教えてください」と言って,店員と4人がかりで車いすごと持ち上げ,店に入れてくれたそうです。その後,串カツ田中はバリアフリー店舗を拡げ,障害者を含めた全てのお客様に優しい店づくりを目指しています。

ロイヤルHDは,深夜営業終了の経営方針を好材料として,株価が26年ぶりに高値域を推移という記事(日経朝刊:17/6/17:P15)もありました。またロイヤルHDでは,15億円を投じてハイテク厨房機器を導入し人手不足に対応する,としています(日経MJ:17/6/5:P15)。ブラック問題などの労務管理上のリスクが懸念される外食業界において,遅滞なく手を打つ姿勢が評価されているのでしょう。

外食企業のIPOは2010年前後こそ奮わなかったものの,2014年からはコンスタントに毎年5社程度が上場しています。ちなみに,串カツ田中は2016年9月に東商マザーズに上場しました。これからの外食企業,特に上場企業においては,事業自体の収益性だけでなく社会的な課題にいかに対応しているかという企業の姿勢,ソーシャル・マーケティングの視点も重要だと感じさせられます。

  • ロイヤルHD ロイホがハイテク厨房(日経MJ:17/6/5 :P15)
  • イートアンド ベーカリー店6割増へ 旗艦店からパン供給(日経MJ:17/6/7 :P15)
  • エー・ピーカンパニー 塚田農場,出店ペース半減(日経MJ:17/6/11: P15)
  • ロイヤルHD 26年10か月ぶりの株価高値(日経朝刊:17/6/17:P15)
  • はなまる・ハイデイ日高,合同で就活イベント実施(日経MJ;2017/6/19:P15)
  • 「俺の」地方都市でFC店舗出店へ(日経MJ;2017/6/21:P15)
  • 「はなの舞」のチムニー,「酔虎伝」のマルシェと資本提携(日経MJ;2017/6/30:P15)
山岡 雄己
中小企業診断士
山岡 雄己
コラム著者のご紹介

1965年松山市生まれ。京都大学文学部卒。サントリー宣伝部を経て2002年独立。フードビジネスに強いFCコンサルタント。経営戦略策定からプロトタイプ開発、FCパッケージ開発まで、広範に本部構築を支援する。ぐるなび大学、日経FCショー講師、日経リポート執筆等、講演執筆多数。法政大学経営大学院 兼任講師。