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【最新FCトレンド|小売業】CVSの1、2月の動き

今号では、コンビニエンスストア(CVS)の2017年全体の動きと年明け1月・2月の動向を見てみたいと思います。

まず、2017年全体では、CVSの年間売上高(既存店+新規店)は13年連続でプラスになり、フランチャイズ(FC)業界全体での存在感はさらに盤石なものになっています。ただし、本連載でもたびたび指摘していますが、ネット通販やドラッグストア等、他業態とのとのパイの奪い合いから既存店の売上は伸び悩んでおり、加盟店の倒産件数も増加しています。そこで、CVS大手各社は、他業態の機能・サービスを自社店舗に併設した新型店舗の開発を急いでおり、決算期を迎えるこの年明け1月・2月に、いくつかの形が実際に出てきました。

1月・2月で出てきたのは、セブンイレブンの国内最大規模フォーマット店舗(100坪店舗)、ファミリーマートのスポーツジム併設型店舗、ローソンの民泊などシェアリングビジネスの拠点機能店舗です。これらと合わせて、前号で述べたセブンイレブンの自転車シェアサービス併設店舗、ファミリーマートのコインランドリー併設店舗があります。

これらの「外部機能複合化」により集客力のアップを図りながら、店内の「オペレーションの自動化」により人手不足に対応していくという流れ(言わば「ハイパー・コンビニエンスストア」の開発)が、2018年から数年間の国内CVSにおける主力戦略であると言えると思います。

セブン‐イレブン
  • 2018年内中におにぎりなどに英語を併記(2018/01/08:日経MJ:P13)
  • 国内最大規模・約330㎡のニセコ新店舗オープン(2018/01/12:日経地方経済面 北海道:P1)
  • 国内店舗数が2万店を超える(2018/02/02:日経MJ:P13)
  • 西日本高速SAなどに20店 (2018/02/09:日経MJ)
  • 弁当工場の人手不足対応のため生産性向上に着手。重複生産の見直しで生産効率を2割高める。(2018/02/21:日経:P14)
ファミリーマート
  • RIZAP監修商品の販売を拡大(2018/01/22:日経MJ:P13)
  • スポーツジム併設型1号店を公開(2018/01/25:日経:P17)
  • 経済産業省とICタグの実証実験を実施(2018/01/31:日経:P5)
  • 女性従業員が発案した働き方改革を表彰(2018/02/02:日経MJ:P13)
  • 韓国料理14品を発売(2018/02/09:日経MJ)
ローソン
  • 2017年3~11月期の純利益が3%減、省力化投資が膨らみ収益を圧迫(2018/01/11:日経:P15)
  • 2021年度末までに薬販売の店舗数を900店に増店(2018/01/11:日経:P15)
  • 民泊などシェアリングビジネスの拠点機能を設ける(2018/01/02:日経:P5)
  • 実店舗でスマホ決済のセルフ会計を実験(2018/01/22:日経:P18)
  • コーヒー待ちの混雑緩和のため、抽出時間が早い新型コーヒーマシンを導入(2018/02/19:日経:P5)
その他・全般
  • 2019年1月からコンビニでスマホによる納税が可能に(2018/01/08:日経:P1)
  • 2017年コンビニの年間売上高は13年連続でプラスだが課題も(2018/01/21:日経:P6)
  • コンビニ既存店、3年ぶり減収。倒産が14年ぶり50件超(2018/01/24:日経MJ:P11)
  • ミニストップ、海外事業の中心となる韓国で出店攻勢(2018/01/26:日経MJ:P13)
西野 公晴
中小企業診断士
西野 公晴
コラム著者のご紹介

1960年三重県伊勢市生まれ。東京学芸大学教育学部卒。株式会社インテージを経て1993年独立。「正しいことを分かりやすく伝える、良い点を最大限伸ばす」をモットーに、FC本部の構築をはじめ、商業施設の立地診断・出店戦略策定・事業計画の立案を指導。 (社)日本フランチャイズチェーン協会SV学校講師、同研究会員。