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フランチャイズ方式による海外展開 ~海外における商標の扱いについて~

海外展開をしている、またはこれからしようとしている日本企業が増えるにつれ、海外展開における商標登録がますます増えています。熾烈な海外での販売環境の中で、ブランドが武器になるからです

 

国内で登録した商標は国内で有効ですが、海外では別に出願登録しないと商標を守ることができません。原則として国ごとに登録する必要があるのです。商標登録したい国がカバーされていれば、後で説明するマドリッドプロトコルでまとめて登録することができます。

 

登録の作業に関してですが、ご存じのように通常は個人または企業が登録作業を行わず、いわゆる特許事務所に登録を依頼することになります。

費用はかかりますが、素人ではわかりにくい登録までの道筋を心配することもなく、出願を依頼してから別の仕事に取り掛かることも可能なので、一概に高いとは言えないでしょう。

 

国内で特許事務所に依頼して商標を出願登録するためにかかる費用の目安が約15万円から20万円と言われています。幅がある理由のひとつは区分数が増えると費用が上がるためです。
したがってその商標で何をやっているのか、近い将来何をやりたいかで区分と区分数を決めなければなりません。
海外へ出て、商売をしようとしている皆さんは、基本的にはこの商標出顔から登録までの作業を国ごとに行わなければなりません。しかしすべての国で出願登録しようとすると、莫大な費用と時間が発生します。
したがって、最初はどうしても進出したい数カ国に絞っては商標登録するようにしたいものです。

商標登録にかかる費用と時間を省略するために、世界には二つの大きな商標国際登録制度があり、そこで出願・登録すると1回でそのシステムに加盟している国全部で登録したことになるのです。

マドリットプロトコルは現在107カ国が参加しており、欧米、アジア等を中心に多くの国が参加しています。
貴社で商標登録を考えている国がその中にあるならば、進めるべきだとお考えになるかもしれません。

一般的に4カ国以上ほぼ同時に出願したいのであれば、マドリッドプロトコルが費用的に有利とされています。
逆に当面は1カ国または2カ国に集中してマーケティングを行い、場合によっては海外戦略を立て直すようであれば、その1カ国または2カ国にそれぞれ商標登録した方が費用を抑えることができます。

特許庁のマドプロに関する小冊子は下記から入手できます。

https://www.jpo.go.jp/resources/report/sonota-info/document/panhu/panhu18.pdf

EUTM制度(欧州連合商標)の加盟国は、欧州の28ヶ国です。欧州のみを市場とするのであれば、EUTMだけで十分でしょう。
もちろん個々の国での出願も可能です。ただし、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグについては、個々の国での出願はできず、これら3ヶ国に登録の権利が及ぶベネルクス商標出願を行う必要がありますので注意する必要があります。

これをご覧になってお分かりになるように主要な国は抑えられるのですが、洩れている国が重要な国である場合もあり得るのです。
対応方法としては、市場の大きさ、戦略的な重要性を社内で十分に検討の上、予算とのバランスを考えながら、出願する順番と時期をあらかじめ考えておくとよいでしょう。
特許庁のホームページの中で商標に関係するものはこちらです
https://www.jpo.go.jp/support/startup/shohyo_search.html


特許情報プラットホーム
https://www.jpo.go.jp/support/j_platpat/sassin_190425.html

アメリカ合衆国の商標登録は難しいとされます。
それは「先使用主義」を取っているからです。通常の「先願主義」は、同一の商標について二以上の出願がされた場合、最先の出願人にのみ特許を与える主義をいい、他人より先に商標を使っていても、他人に先に出願されると商標登録されないというものです。

これに対して使用主義とは、
「商標登録していなくても、使用の事実があればそれを保護する」という考え方です。別の表現をすると、「使用していない商標には権利を与えない」ということになります。
したがって、単に登録だけされ、使用されていない場合、あとから同じ商標を登録しようとする場合、先に使用しているという事実を示せば登録される可能性が高まるのです。

 

アメリカ合衆国と並んでわかりにくいとされる中国の場合ですが、制度の変化があり得るので信頼できる中国代理人を選んでください。
また標準的な指定商品を記載することが商標登録では特に重要になりますので、直接出願の場合でも、現地に信頼できる中国代理人がある方が良いとされています。
弁理士によっては、中国現地に信頼できる代理人がいる場合がありますので、調べてみてください。

上記2カ国については、特にしっかりした現地の代理人がいる弁理士を選ぶことがポイントとなります。
以上いくつかの観点から海外への商標出願を見てきました。

 

会社の開発方針、ターゲットとする国のリストなどを頭に入れた上で、効率的に商標出願をするように心がけましょう。
国内で特許や商標を専門とする弁理士のうち国際的なネットワークを持ち、海外での商標登録を行ってくれる事務所は、通常〇△国際特許事務所など国際を名称に入れている例が多いです。
そうした中から国内も海外も相談相手になってくれるところを選びましょう。

このように皆さんが念には念を入れて商標を扱っていても、トラブルが起きることがあります。

(1)現地で自社の商標が別の企業または個人に登録されてしまっている

(2)文字またはデザインが全く同じではないが、似ていると判断されかねない。

こうした場合はまずどの分類で登録されているかをチェックします。
分類がかぶっていると、こちらが商標登録できる可能性は低くなります。逆に全く違っていれば、登録できる可能性が出てきます。
先ほど前の方で紹介した弁理士、国際特許事務所が呼称に入っている事務所に相談することになります。ご自身の会社の意見を最初に聞いておくとよいでしょう。
すっきりとした回答はないかもしれませんが、弁理士との交渉がやりやすくなります。

以上、海外での商標登録に関して知っておいた方が良いことについて述べました。

皆さんのブランドが海外に羽ばたくのを楽しみにしています。

三谷 誠一

シニアコンサルタント・監査役

1966年生まれ。千葉大学工学部工業意匠学科卒業後、大日本印刷、外資系ゲームメーカー、ディズニー社等でデザイン/宣伝/マーケティングに従事した後、2013年に独立。デザインのできる経営コンサルタントとして幅広い業種の支援を行なっている。専門分野はデザイン、広告宣伝、マーケティング。

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