海外展開ではこれを押さえる! -海外展開を成功させるための5つの鉄則-
海外展開を成功させるためのポイントは数多くあります。その中でも次にあげる5つのポイントは、まさに「鉄則」といえるものです。
海外展開鉄則1:十分な事前準備
『段取り八分』という事前準備の大切さを表す言葉がありますが、これは海外進出にも当てはまる大切な鉄則です。実際に海外進出に取りかかりますと、予想外のことがたくさん起こります。あらかじめ様々な切り口から事業計画を練っておかないと、時間・コストを大きく浪費することになります。この事業計画は、現地パートナーに、事業のビジョンやビジネスモデル、中長期の方向性などを理解してもらうためにも重要なものとなります。
海外展開鉄則2:現地事情に精通したパートナーの選定
海外展開が成功するか失敗するか、その大きな鍵となるのが、現地パートナー候補の選定です。選定する現地パートナーは、現地の事情に明るいことはもちろん、物件情報や流通チャネルなどを有していなければなりません。
パートナー選びを間違えないためには、その事業のビジョンを共有できる相手かどうかを、十分に見極める必要があります。長期的な友好関係を維持するためには、ビジョンの共有が大切です。
海外展開鉄則3:業態のローカライズ(現地化)
海外進出において成功の鍵を握る3つ目の鉄則は、業態の現地化(ローカライズ)です。いかに現地に合わせてメニューやサービスを開発・提供できるかが勝負の分かれ目となります。特に外食産業では、現地の食文化、顧客の嗜好、ニーズをよく知り、そこに合わせていく必要があります。その意味でも、現地の文化をよく知るパートナーの存在は重要です。「吉野家」や「餃子の王将」の成功・失敗のケース(ガイドブックにて解説)が大いに参考になります。
海外展開鉄則4:進出先のデファクトスタンダード(標準)を目指す
市場競争の結果、その業界の標準と見なされる規格になることは、海外進出においても同様です。日本人にとってのハンバーガーのデファクトスタンダード「マクドナルド」のように、進出国においてその地位を確立すれば顧客は離れていかず、強力なブランドを構築することができます。ガイドブックで解説している「カレーハウスCoCo壱番屋」や「味千拉麺」の中国への進出はその代表例です。
海外展開鉄則5:契約書で日本の法律文化は通用しない
日本の契約書では、「~の場合、甲乙双方誠実に協議のうえで解決するものとする」という条文をよく目にします。しかし、海外当事者との契約においては、このような条項を入れること自体が稀といえます。海外ビジネスにおいては、契約書というものは、双方が誠実に協議できなくなった場合の解決指針として機能しているため、あらゆるケースを想定して、どのように対処するかを契約書に盛り込むことが鉄則です。
「フランチャイズ方式による海外展開ガイド」には、海外展開における①マスターフランチャイズ契約書、②マルチユニット契約書、③シングルユニット契約書の全条文が掲載されています。これをもとに、ビジネスの実態を踏まえた契約条項の徹底的なカスタマイズが必要です。