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フランチャイズは説明ビジネス

フランチャイズとは、自己の商標やブランドを他人に使わせしめ、事業のためのノウハウを供与し、その対価として加盟金やロイヤリティを受け取るビジネスです。フランチャイズ・システムのメリットは、他人資本を使って事業展開できるので事業成長のスピードが速いということです。逆にデメリットは、契約ビジネスであるだけに契約条項解釈の相違による訴訟などのリスク、共通ブランドを使用するために1店のマイナスイメージがブランド価値全体を毀損するというリスク、提供付加価値のの陳腐化を避けるための絶えざる業態開発と経営指導に関する労力などが挙げられます。

フランチャイズは説明ビジネスと言われます。それは、ノウハウや技術をマニュアル化して紙面や映像上で伝達可能なものとするということや、契約書でブランド価値を維持するためのルールを詳細に定める、といったことに由来します。誰が読んでも理解可能な解りやすいマニュアルの体系を構築することや、加盟者との間で疑義の余地のない精緻なフランチャイズ契約書を定めることが重要です。また法律により、フランチャイズ本部は一定の情報を開示することが定められています。そういった観点からもフランチャイズ本部を目指す企業には、コンプライアンスやディスクロージャーの精神が求められるのです。

山岡 雄己
中小企業診断士
山岡 雄己
コラム著者のご紹介

1965年松山市生まれ。京都大学文学部卒。サントリー宣伝部を経て2002年独立。フードビジネスに強いFCコンサルタント。経営戦略策定からプロトタイプ開発、FCパッケージ開発まで、広範に本部構築を支援する。ぐるなび大学、日経FCショー講師、日経リポート執筆等、講演執筆多数。法政大学経営大学院 兼任講師。