コラム

COLUMN

外食FC加盟のポイント

最近の外食フランチャイズでよく言われることは、業態のライフサイクルが短くなったということです。このことは、ファストフード、居酒屋、カフェなど外食フランチャイズのほとんどの業種に当てはまります。

どんな商売でも、人間と同じように寿命があります。世の中に初めて登場して(導入期)、お客さんに支持されて売上が増加(成長期)、やがて売上が頭打ちになり(成熟期)、お客さんから飽きられて売上が減っていく(衰退期)、という四段階の過程をたどるということです。こうした一連の流れを、業態のライフサイクルといいます。

業態のライフサイクルが短くなるということは、簡単にいうと、お客様からすぐに飽きられてしまい、店が長続きしないということ。このことを外食フランチャイズのオーナーの立場で考えてみると、事は重大です。

多額の投資をして店がオープン、初めのうちは業績好調だったものの、初期投資を回収できないうちに売上が減り始めて、頑張ってみたものの売上が回復することはなく撤退、残ったのは借金だけ、ということにもなりかねないのです。

経済が成熟してモノが溢れている日本で、お客さんは移り気です。業態のライフサイクルが短くなることは、やむを得ないことかもしれません。ですが、実は、業態のライフサイクルをある程度伸ばすことは可能なんですね。その証拠に、皆さんがよくご存じのナショナルチェーンといわれるようなフランチャイズは、どれも長命ですよね。

外食フランチャイズへの加盟を検討している方は、加盟しようとしているチェーンに業態のライフサイクルを長くするためのノウハウがあるかをチェックしてください。ポイントとなるのは以下でしょう。

飽きられない定番メニューがある

奇をてらったようなメニューの店はブームが去ればお客様は離れていきます。単に珍しい、辛い、多い、見た目がいいなどは問題外です。

メニューに、お客様が安定的に注文してくれるオーソドックスな定番商品があることは大切です。

新メニューの開発に注力している

新メニューはお客様を飽きさせない対策としてとても重要です。季節ごとのスポットメニューなども効果があるでしょう。実はメニュー開発を継続して行うことは大きなコストと時間を伴います。思いつきでは、新しい人気メニューは決してできないのです。本部に新メニュー開発の専門部隊があるなど、本部が新メニュー開発にどれほど熱心に取り組んでいるかをチェックすることが必要です。

お客様を囲い込む販促策を確立している

お客様を飽きさせない手立てはメニューだけではありません。お客様がまた来店したくなるような販促策が用意されているチェーンの店は、長い期間繁盛します。

伊藤 恭
中小企業診断士
伊藤 恭
コラム著者のご紹介

成蹊大学経済学部卒業、イベント会社社長を経てFCコンサルタントとして独立。㈳東京都中小企業診断士協会フランチャイズ研究会会長、日本フランチャイズチェーン協会フランチャイズ相談室相談員等を歴任。豊富なフランチャイズ本部構築実績あり。日本経済新聞社主催のFCショー等での講演、FC専門誌・専門書の執筆多数。