コラム

COLUMN

【FCトレンドコラム】メガジーを目指すには

日本のフランチャイズが歴史を積み重ねる中で、メガジーの数もどんどんと増えているようです。私の推測ですが、日本にメガジーが300社近くは存在するのではと考えています。メガジーはフランチャイズ加盟店(予備軍も含む)の『憧れ』といってもいいでしょう。

ここでいうメガジーとはメガフランチャイジーのこと。メガフランチャイジーとは直訳すると巨大なフランチャイズ加盟店という意味、実は和製英語です。

メガジーの中には、何の後ろ盾もなく、脱サラでフランチャイズ加盟してメガジーにまで登りつめたという方が数多くいます。つまり、メガジーになれるチャンスは誰にでもあるということです。

さて、メガジーを目指すためのポイントは何かというと、当たり前の話ですが、最初に加盟したフランチャイズで1店舗目を成功させることです。

1店舗目で失敗してひどい目に合っていたら、これに懲りて二度とフランチャイズには手を出しません。セントリングスの青木社長はTSUTAYAで失敗した後ピザーラでブレイクしましたが、これは例外中の例外です。
1店舗目を成功させるために何より大切なことは、優秀なチェーンに加盟するということでしょう。それと相性が良いチェーンを選ぶということもあるでしょう。
ところで、メガジーが最初のフランチャイズをどうやって選んだかということですが、これは意外なのですが、結果オーライということが多いようです。
メガジーといえども、幸運に恵まれたというわけです。
たとえば、加盟したフランチャイズがたまたま優秀なチェーンで、その後ナショナルチェーンといわれるほどに成長したとか……。

これからメガジーを目指す方は、結果オーライをあてにするわけにはいきません。

慎重の上にも慎重を期して、優秀で相性の良いフランチャイズを選んでください。

次にポイントとなることは、彼らが1店舗目を成功させたあと、ほぼ例外なしに同じチェーンで多店化していることです。
同じチェーンの店を複数出店することは、1+1=3になるほどのメリットがあります
たとえば、本部から加盟金やロイヤリティなどの面で優遇されることもありますし、優良物件を優先的に紹介してもらえるということもあるでしょう。また、メガジーの社内に店の運営ノウハウが蓄積しますし、スタッフのやりくりという面でも融通がきくようになります。多店化のメリットは店舗数と正比例するといってもいいでしょう。

では、同じチェーンの店を多店化するためには何が必要かを考えてみましょう。
まず、1店舗目の成功で得た利益を次の投資に振り向けるという飽くなき成長意欲です。稼いだ利益の大半を社長の報酬や社用車を買うことに充てるようでは、メガジーへの道は開けません。
次は、人材の育成です。フランチャイズは人材ビジネスとも言われますね。どんなに優れた業態でも、店を運営するためのしっかりした「人」がいなければいい結果は残せません。
メガジーに共通するのは、人材育成の大切さを認識し、人材育成に金や時間を注ぎ込んでいることです。
最後は本部との信頼関係を構築するということでしょう。
言い換えれば、本部に、この人に店を任せたいと思ってもらえるようになることです。
そのためには、本部の指導を忠実に守りながら、お客様から愛される店を作り上げることです。

伊藤 恭
中小企業診断士
伊藤 恭
コラム著者のご紹介

成蹊大学経済学部卒業、イベント会社社長を経てFCコンサルタントとして独立。㈳東京都中小企業診断士協会フランチャイズ研究会会長、日本フランチャイズチェーン協会フランチャイズ相談室相談員等を歴任。豊富なフランチャイズ本部構築実績あり。日本経済新聞社主催のFCショー等での講演、FC専門誌・専門書の執筆多数。